切削加工品「設計のヒント」
【第5回】 樹脂素材の選定基準
2021-08-12
■素材を決定する前に…
切削加工では丸棒と板材をおもに利用して加工します
今回からは樹脂素材についてお話します。
パーツを設計する際に、避けて通れないのが素材選びです。
《アウトラインとして》
● 素材に求める機能は?
● 耐薬品性は必要?
(油・酸・アルカリ・有機溶剤の影響は?)
● 何色にするのか?
● 性能重視or価格重視?
● 関連法令や輸出規則などに適合しているか?
切削加工に利用できる素材は、板材・丸棒・パイプ材・シート材などに成形されたものです。
素材によっては、元来規格が「丸棒のみ・板材のみ」の場合や「受注生産品」となっている場合もあるため、将来的に量産化を想定しているケースにおいては、入手のしやすさも素材選定の重要なポイントになります。
■樹脂素材の選定基準
切削加工に用いられる素材は、大きく分けて次の3種類です。これらは連続使用温度を基準とした分類となります。「1.汎用プラスチック」が最も安価で、「3.スーパーエンジニアリングプラスチック」や「4.フッ素樹脂」が性能が高く、高価な素材となります。
また材質の違い以外に、製造過程において標準品(ナチュラルグレード)にさまざまな物質を充填することにより、優れた特性を持たせた特殊グレードを各メーカーともに多数展開しています。
1.汎用プラスチック
連続使用温度がおおむね100℃まで
2. エンジニアリングプラスチック(エンプラ・汎用エンプラ)
連続使用温度がおおむね100℃から150℃まで
3. スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)
連続使用温度がおおむね150℃から250℃付近まで
4.フッ素樹脂
連続使用温度がおおむね150℃から260℃付近まで
耐熱性のほか、耐薬品、耐摩耗、絶縁、耐候性など多くの優れた特徴を持つ
それぞれの紹介と加工事例については、リンク先をごらんください。〔別ウインドウで開きます〕
~【第6回】へ続きます~
